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学校指定のいわゆる斡旋PCというのがあって、NECのVersa Proが13万円くらい。高額なDual Coreノートを持ち歩くより「安価なノート+家に強いの」のほうがパフォーマンスがいいはず、という考えからDellのInspiron mini 12にしました。
Mini 12の使用感等のまとめはGoogle Docsで公開しています。
実際に使ってみるとGmailやGoogle mapsのようなAjaxも快適に使えるだけのCPU性能はあり、サブノートとしては非常にコストパフォーマンスが良さそうです。やはり15インチ前後のノートと同じ解像度があるのは便利。私はヨドバシカメラで上位モデル(Z530 80GB)3+6セルバッテリ付で54800円(20%還元)のものを買いましたが、同じモデルが6セルバッテリのオマケこそないもののビックカメラでは44800円(5%還元)らしいので、安価なノートをお探しの方にはお勧めです。新色(ピンク・青・緑)がほしい場合以外、Mini 12に関しては現状納期未定になるDellの直販を選ぶ価値はなさそう。
ここまでなら何の問題もない製品のように感じられますが、現状ではLinuxを入れるのにかなり大きな壁があります。
Linuxを入れようと思うと、現行の環境で動くグラフィック(GMA 500 Poulsbo)ドライバ(psb)がないため1280x800の解像度で表示する方法がありません。今のところMini 12で1280x800の解像度でLinuxを使うには、
- DellのMini 12用Ubuntu 8.04 Belmontを入れる(店頭モデルを買った場合は入手不可能)
- Ubuntu Netbook Remix 8.04を使う(archが違うのでUbuntuのリポジトリが使えない)
- Ubuntu 8.04 Hardyを使う(起動時にカーネルオプションが必要)
の選択肢しかないようです。

Ubuntu 8.04の通常版を入れて使うのが一番マトモにみえますが、いくら8.04がLTS(Long Term Support)でサポートがあと2年間持つとはいえ、先行きが不透明な状態であることには変わりありません。Debianユーザとしては、「Debianを入れられればサポート期間など気にせずに使い続けることもできるのに…」と思うとどうも気が進まないというのもあります。
ではMini 12でDebianなど、ほかのディストリビューションを使うにはどうすればいいかという話ですが、これがかなり難しいようです。
私がDebian sidを入れて苦戦した内容は割愛しますが、各所で公開されているパッチを当ててみるも、ビルドが通らなかったり、やっと通ったと思ったらXが黒画面だったりで正常動作をさせるところまでは達成できずでした。
とはいえこのpsbにしても「希望の光」はあるわけで、PhoronixというLinux系ニュースサイトに、IntelがLinuxにドライバを提供しようと尽力している様子がまとめられています。
そもそもIntelからのパッチはすでに出ているのですが、さまざまな問題からパッチのマージを拒否されています。では手元でパッチを当てよう、というところですが、パッチ形式に問題があってそれもできません。
リンク先にあるパッチ投稿先はSourceForgeのML。そのアーカイブではパッチにあるべき行頭の空白が失われてしまっているため、そのままではパッチとして使用できないのです。同時にパッチはLinuxのkernel-develにも投稿されており、5個中4個のパッチはここから正常な形でダウンロードできます。残念ながら残りの1個の1MBに達するパッチが容量オーバーで配送されなかったからか、アーカイブされていないようです。
結局このパッチを使うには、1MB 4万行のコードを修正していくほかなさそうです。これは相当大変な作業であることは間違いありません。
同時にIntelは同社のプロジェクトMoblinにあるpsbを「まもなくアップデートする」と言ってるので、待てるならこっちを待ったほうがいいかな、といったところ。
現状での結論としてはもう少し待てば何らかの形でサポートされるということです。個人的に「まもなく」まで待てるかどうか微妙なため、今のところDebianをWindows上のcolinuxで起動し、NoMachinesのNXでX環境を作って逃げ道を作っています。意外に快適。
ところで、同じGMA 500 Poulsbo搭載のPCでもVAIO type Pでは標準のVESAドライバで1600x768の解像度が実現できている点が気になりますがどういうことでしょうか。これに関してはtype Pを持っていないため憶測になってしまいますが、type PはVGA BIOSに特殊解像度をちゃんと書き込んでいるため、1600x768の表示ができると考えられます。逆に本来は解像度を書き込んでおくべきところを、可搬性のないドライバを書かせてごまかしたのがDell、という話のようです。したがってtype Pではfbやuvesafbを使えば1600x768を実現できますが、mini 12では1024x768のサポートまでになってしまいます。
Dell (^ω^#)
まさか公式通販でLinuxプリインストールで販売しているモデルを買ってLinuxが動かないとは思っても見ませんでした。
6月15日追記
現時点では、Ubuntu 8.10と9.04用のドライバが公開されており、9.04では2Dのみですが、8.10では3Dを含めて動作します。手元で試したところ9.04にpsb-modulesを入れるとフリーズが頻発したので、ドライバはpsb-kernel-sourceからビルドするのがよさそうです。mini 12でCompizを動かしている動画をYouTubeに載せています。8.04 → 8.10 → 9.04とアップグレードした上でX周りのバージョンを8.10に落としているものですが、GNOMEを使うとCPU使用率が100%で張り付いてしまう問題があります。ということで、現状で私がオススメするのは8.10です。
Michitomo - 2009年03月23日 3時41分
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